フロスト&サリバンが調査「2025年第一四半期の業界別成長分野」

マーケットリサーチなどを行うフロスト&サリバン ジャパンが、2025年第四半期の業界別成長分野に関する調査結果を発表した。
ヘルスケアやエネルギー、情報通信技術(ICT)など、各業界のトレンドや市場動向がまとめられている。
8つの業界ごとに成長機会を分析
1. ヘルスケア&ライフサイエンス

ヘルスケア&ライフサイエンス部門では、遠隔医療やAIがトレンドとなっている。
なかでも遠隔医療は、2025年末までに403.6億ドルにまで市場が拡大する予測だ。また、個々人に最適なケアがしやすくなるウェアラブルデバイスにも注目が集まっている。
2. エネルギーと環境
エネルギー業界では、原油の価格変動を受け、安定性や効率性の高いビジネスモデルが求められる。
特にシェルやトタルが取り組む「エネルギー・アズ・ア・サービス(EaaS)」モデルに期待が高まっているという。このほか、回収した二酸化炭素(CO2)を石油回収・貯留(EOR)のために収益化するCCUS技術の導入も進んでいる。
3. 情報通信技術(ICT)
情報通信技術においては、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)と、クラウド上で利用できるコミュニケーション技術の需要が高い。
これらの技術に対するAIの導入や、業界に特化したモデルの開発なども盛んに行われているという。
4. モビリティ(自動車・輸送)
モビリティ業界では、カーシェアリングの成長が著しい。2030年までに車両数は57万台を超え、収益は97億9000万ドルが見込まれている。
温室効果ガスの排出量削減を目指す「ゼロエミッション目標」や、都市の渋滞緩和に向けた取り組みとも結びつきが強い。
5. インダストリー分野
インダストリー分野で急速に成長しているのが、機械系コンピュータ支援設計(MCAD)業界だ。
2030年までには、同業界が64億ドルから104.6億ドルにまで成長すると予測されている。また、AIを活用したジェネレーティブデザインや拡張現実(AR)の導入も、設計の効率化や進化を推進すると考えられる。
6. 化学物質、素材、栄養
パンデミック以降、健康志向の高まりとともにスポーツ栄養業界が成長している。
フィットネスと回復、そして栄養に関する個別化された健康ソリューションの需要が高まっているという。なかでも、AIによるパーソナライズされた栄養管理に注目が集まっている。
7. 航空宇宙、防衛、セキュリティ
航空宇宙、防衛、セキュリティ業界のなかでは、アプリケーション・セキュリティ・ポスチャ管理(ASPM)市場の成長が予測されている。
2024年の4億5,750万ドルから2029年には17億ドルにまで成長すると考えられ、その年平均成長率(CAGR)は30.1%にも達する。特にクラウド型アプリケーションの普及に応じて、ASPMソリューションのニーズも高まっているという。
8. 新興テクノロジー
新興テクノロジーにおいては、AI市場が2,437.2億ドル規模に達した。ビジネスの成長と競争力向上のためにはAIの活用が欠かせないものの、コンプライアンスの強化も重要だ。
AIやIoT、拡張現実(XR)などの新興テクノロジーによって、企業の運営やコミュニケーションのあり方が再定義されている。
会社名 | フロスト・アンド・サリバン・ジャパン株式会社 |
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代表者名 | 山村 浩(代表取締役) |
事業内容 | マーケットリサーチ、マーケティング、コンサルティング業務等 |
所在地 | 東京都港区赤坂5丁目2番20号 赤坂パークビル23階 |
設立 | 2014年1月17日 |
URL | https://frost.co.jp/ |