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名古屋大学、乗り物酔いを軽減する「音刺激技術」を発見

2025年4月、名古屋大学などの研究チームが、特定の音によって乗り物酔いが軽減されることを発見した。
自動車だけでなく航空旅行や船旅等も含め、実用化が期待される。

「音」で乗り物酔いを軽減

ドライビングシミュレーターを用いた乗り物酔いの誘発(提供:加藤 正志)

研究グループは『サウンドスパイス®』と呼ばれる特定の波長の音を聞くことで、乗り物酔いによる吐き気やめまいなどを軽減すると発表した。
内耳の平衡感覚をつかさどる部分を、音で刺激するというアプローチだ。

研究成果は、国際的な医学専門雑誌『Environmental Health and Preventive Medicine』誌に掲載された。グループには、名古屋大学大学院医学系研究科の香川巧氏と加藤正志氏が所属している。

効果と安全性を実証

研究では、参加者を募った検証も行われた。特定の音を聞いた後にブランコやドライビングシュミレーターなどに乗ってもらい、姿勢制御や心電図、質問票の結果によって評価したという。その結果、乗り物酔いをしているときに不調をきたす交感神経の活性化によって、症状が軽減されていることが示唆された。

研究チームの一員である香川氏は、独自の音は「日常的な環境騒音曝露の範囲内」であるうえ、「短期的にさらされても健康リスクは最小限」だと述べている。研究成果を受け、さまざまな移動場面に活用できるよう技術開発を進めるという。

大学名名古屋大学
代表者名杉山 直(学長・2025年4月時点)
所在地名古屋市千種区不老町
設立1939年
URLhttps://en.nagoya-u.ac.jp/

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